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蝎
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さそり
ふりがな文庫
“
蝎
(
さそり
)” の例文
さらに云いけるは、「悪魔にしてたとい、人間と異るものにあらずとするも、そはただ、皮相の
見
(
けん
)
に止るのみ。汝が心には、恐しき七つの罪、
蝎
(
さそり
)
の如くに
蟠
(
わだかま
)
らん、」
るしへる
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ほんとうにこんなような
蝎
(
さそり
)
だの勇士だのそらにぎっしり居るだろうか、ああぼくはその中をどこまでも歩いて見たいと思ってたりしてしばらくぼんやり立って居ました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
……けれども、あの、
蝎
(
さそり
)
の毒でも死ぬように果敢ない肉体を持ちながら、精神ばかりは高貴な、不壊な者たちをどうして痛おしまずに居られよう。私には母の本能がある。
対話
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
そのほかには、
蝎
(
さそり
)
、
南京
(
ナンキン
)
虫、
虱
(
しらみ
)
など、いずれも夜となく、昼となく、我々を悩ませました。蝎に
螫
(
さ
)
されると命を失うと云うので、虱や南京虫に無神経の苦力らも、蝎と聞くと顔の色を変えました。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それは
蝎
(
さそり
)
のように怖がられている伝単だった。
武装せる市街
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
▼ もっと見る
「
蝎
(
さそり
)
ぼしが向ふを
這
(
は
)
ってゐますね。あの赤い大きなやつを昔は
支那
(
しな
)
では
火
(
くゎ
)
と云ったんですよ。」
土神と狐
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
このことばの中には、
蝎
(
さそり
)
のように、人を刺すものがある。次郎は、再び一種の
戦慄
(
せんりつ
)
を感じた。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
南京虫は日本にもたくさん輸入されているから、改めて紹介するまでもないが、満洲の夏において最も我々をおびやかしたものは
蝎
(
さそり
)
であった。南京虫を恐れない満洲の民も、蝎と聞けば恐れて逃げる。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
蝎
(
さそり
)
ぼしが向うを
這
(
は
)
っていますね。あの赤い大きなやつを
昔
(
むかし
)
は
支那
(
しな
)
では
火
(
か
)
と云ったんですよ。」
土神ときつね
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「何としてさほどつれないぞ。」と、よよとばかりに泣い
口説
(
くど
)
いた。と見るや否や隠者の翁は、
蝎
(
さそり
)
に刺されたやうに躍り上つたが、早くも肌身につけた
十字架
(
くるす
)
をかざいて、
霹靂
(
はたたがみ
)
の如く
罵
(
ののし
)
つたは
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これは
暁方
(
あけがた
)
の
薔薇色
(
ばらいろ
)
ではない。南の
蝎
(
さそり
)
の赤い光がうつったのだ。その
証拠
(
しょうこ
)
にはまだ夜中にもならないのだ。雨さえ晴れたら出て行こう。街道の星あかりの中だ。次の町だってじきだろう。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
蝎
(
さそり
)
の火だな。」カムパネルラが
又
(
また
)
地図と首っ引きして答えました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
蝎
漢検1級
部首:⾍
15画
“蝎”を含む語句
蛇蝎
天蝎宮
悪蝎
蝎座
蛇蝎視
双尾蝎
天蝎
蚖蛇及蝮蝎
豺狼蛇蝎
風精天蝎宮