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蘇枋
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すおう
ふりがな文庫
“
蘇枋
(
すおう
)” の例文
「桃の木若かだちて、いとしもとがちにさし出でたる、片つ方は青く、いま片枝は濃くつややかにて
蘇枋
(
すおう
)
のやうに見えたる」
偶言
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
古び赤茶け、ところどころ破れ、
腸
(
わた
)
を出している畳の上には、
蘇枋
(
すおう
)
の樽でも倒したかのように、血溜りが出来ておりました。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
昔は凧の絵の赤い色は皆な
蘇枋
(
すおう
)
というもので描いたので、これはやはり日本橋の伊勢佐という
生薬
(
しょうやく
)
屋で専売していたのだが、これを火で温めながら、凧へ塗ったものである。
凧の話
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
「
這
(
しゃつ
)
伏勢ござんなれ」ト、身構へしつつ
佶
(
きっ
)
と見れば、いと
大
(
おおい
)
なる黒猿の、
面
(
おもて
)
蘇枋
(
すおう
)
に
髣髴
(
さもに
)
たるが、酒に酔ひたる
人間
(
ひと
)
の如く、
倰僜
(
よろめ
)
きよろめき
彼方
(
かなた
)
に行きて、太き松の幹にすがりつ
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
それは
清涼殿
(
せいりょうでん
)
のことで、西の後涼殿の縁には殿上役人が左右に思い思いの味方をしてすわっていた。左の
紫檀
(
したん
)
の箱に
蘇枋
(
すおう
)
の木の飾り台、敷き物は紫地の
唐錦
(
からにしき
)
、
帛紗
(
ふくさ
)
は赤紫の唐錦である。
源氏物語:17 絵合
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
▼ もっと見る
かれの半身はなま血に
塗
(
まみ
)
れて、そこらに散っている俳諧の巻までも
蘇枋
(
すおう
)
染めにしているので、惣八は腰がぬけるほどに驚いた。かれは這うように表へ逃げ出して、近所の人を呼び立てた。
半七捕物帳:36 冬の金魚
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そうして、しまいには
焼火箸
(
やけひばし
)
のようにじゅっといってまた波の底に沈んで行く。そのたんびに
蒼
(
あお
)
い波が遠くの向うで、
蘇枋
(
すおう
)
の色に
沸
(
わ
)
き返る。すると船は
凄
(
すさま
)
じい音を立ててその
跡
(
あと
)
を
追
(
おっ
)
かけて行く。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蘇枋
(
すおう
)
の花房の枝の先に若葉がちょぼちょぼと散点して見え出す。
五月の唯物観
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
赤紫に見えるのは、
蘇枋
(
すおう
)
の花に相違ない。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“蘇枋”の意味
《名詞》
「蘇芳」の別表記。
(出典:Wiktionary)
“蘇枋(スオウ)”の解説
Biancaea sappan
Biancaea sappan
スオウ(蘇芳、蘇方、蘇枋)は、マメ科ジャケツイバラ亜科の小高木。インド、マレー諸島原産。
(出典:Wikipedia)
蘇
漢検準1級
部首:⾋
19画
枋
漢検1級
部首:⽊
8画
“蘇枋”で始まる語句
蘇枋染