藝妓げいこ)” の例文
新字:芸妓
町からは藝妓げいこが一組來て、梅鉢屋の二階で舞ひを舞うた。村中の人々が殘らず集つて來て、餅撒きに紅白の小餅を拾はうと爭つた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
あの藝妓げいこは醉はんとえゝのやが、醉ふたらどもなりまへん。せんどもうちの御客さんがいやらしい事いふたとかで、えらい怒らはつてなあ、横ずつぽうを
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
東京とうきやうて、京都きやうと藝妓げいこに、石山寺いしやまでらほたるおくられて、其處等そこら露草つゆぐささがして歩行あるいて、朝晩あさばん井戸ゐどみづきりくと了簡れうけんだとちがふんです……矢張やつぱ故郷ふるさとことわすれた所爲せゐ
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『別に流行はやつてもゐえしまへんけど、藝妓げいこはんがこんなことをして出しやはると、お客さんが口で受けたりしてはりまんがな。』
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「えらいをなごはんですなあ。お客さんとらまへて、そのやうな事する藝妓げいこはんがおますかいな。それでお商賣が出來るのやろか。男はんいふものはほんまに甘いもんやなあ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
町の藝妓げいこや娘たちからは、旅役者の市川鯉三郎いちかはこひざぶらうつて受けたほどの人氣が小池の一身に集まつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「蟒? けつたいな名前だんな。そのやうな藝妓げいこはんは、新地にはゐたれしめへんぜ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
「……頼朝が更に名姫、……………名高い白拍子、……藝妓げいこやなア、其の名妓の伊王といふ女を重衡のところへやつて、千手と伊王と二人で、更直した、……交る/″\お伽をした。……」
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)