トップ
>
薬罎
>
くすりびん
ふりがな文庫
“
薬罎
(
くすりびん
)” の例文
枕元には
薬罎
(
くすりびん
)
や検温器と一しょに、小さな朝顔の鉢があって、しおらしい
瑠璃
(
るり
)
色の花が咲いていますから、
大方
(
おおかた
)
まだ朝の内なのでしょう。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし、そこにはピロカルピンの
薬罎
(
くすりびん
)
はあっても、それにはどこぞと云って、手を付けたらしい形跡はなかった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
こういう風で十日ばかり
経
(
た
)
った。或日細川は学校を終えて四時頃、丘の
麓
(
ふもと
)
を例の如く物思に沈みつつ帰って来ると、倉蔵に
出遇
(
であ
)
った。倉蔵は手に
薬罎
(
くすりびん
)
を持ていた。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
裏の山から腕いっぱい花を
抱
(
かか
)
えて帰ってくる看護婦に分けて
貰
(
もら
)
って
薬罎
(
くすりびん
)
にさした
竜胆
(
りんどう
)
や
鈴蘭
(
すずらん
)
などの小さな花の
香
(
かお
)
りをかぎながら、彼は生き生きとした呼吸をし出した。
恢復期
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
薬罎
(
くすりびん
)
載せたる
円卓
(
ゑんたく
)
のはしに
肱
(
ひぢ
)
つきながら
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
美華禁酒
(
びかきんしゅ
)
会長ヘンリイ・バレット氏は
京漢
(
けいかん
)
鉄道の汽車中に
頓死
(
とんし
)
したり。同氏は
薬罎
(
くすりびん
)
を手に死しいたるより、自殺の疑いを生ぜしが、罎中の
水薬
(
すいやく
)
は
分析
(
ぶんせき
)
の結果、アルコオル類と判明したるよし。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
富岡老人は床に就いていてその
枕許
(
まくらもと
)
に
薬罎
(
くすりびん
)
が置いてある。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
薬
常用漢字
小3
部首:⾋
16画
罎
漢検1級
部首:⽸
22画
“薬”で始まる語句
薬
薬研
薬鑵
薬罐
薬研堀
薬師
薬餌
薬売
薬缶
薬屋