“薬罎”の読み方と例文
読み方割合
くすりびん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
枕元には薬罎くすりびんや検温器と一しょに、小さな朝顔の鉢があって、しおらしい瑠璃るり色の花が咲いていますから、大方おおかたまだ朝の内なのでしょう。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし、そこにはピロカルピンの薬罎くすりびんはあっても、それにはどこぞと云って、手を付けたらしい形跡はなかった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
こういう風で十日ばかりった。或日細川は学校を終えて四時頃、丘のふもとを例の如く物思に沈みつつ帰って来ると、倉蔵に出遇であった。倉蔵は手に薬罎くすりびんを持ていた。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)