トップ
>
蔽
>
おゝ
ふりがな文庫
“
蔽
(
おゝ
)” の例文
それから間もなく
洛中
(
らくちゅう
)
の空に黒雲が
蔽
(
おゝ
)
い
廣
(
ひろ
)
がって大雷雨が襲来し、風を起し
雹
(
ひょう
)
を降らして、宮中の
此処彼処
(
こゝかしこ
)
に落雷した。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そう云うと夫人は、厠の床に惜しげもなく両手をついて、ゆたかな黒髪に
蔽
(
おゝ
)
われた高貴な
頭
(
つむり
)
を心から青年の前に下げた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
両側から路の方へ
蔽
(
おゝ
)
いかぶさっている草を掻き分けながら行くので、
袂
(
たもと
)
も
裾
(
すそ
)
もしたゝか露に濡れて、つめたい
雫
(
しずく
)
が襟もとまで沁み入るのであった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
崖の上からは
楓
(
かえで
)
と松が
参差
(
しんし
)
と枝をさしかわしながら滝の面へ
蔽
(
おゝ
)
いかぶさっているのであるが、
蓋
(
けだ
)
し此の滝は、さっきの音羽川の水を導いて来て、こゝへ
堰
(
せ
)
き入れたのであろう。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
河内介は例の如く石崖の下の
淋
(
さび
)
しい場所へやって来て、木の根に腰をかけながら茫然としていたが、彼の眼は自らその石崖の上に
聳
(
そび
)
え立つ土塀を
超
(
こ
)
えて、
鬱蒼
(
うっそう
)
と
蔽
(
おゝ
)
いかぶさっている奥庭の森の
梢
(
こずえ
)
に
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
蔽
常用漢字
中学
部首:⾋
15画
“蔽”を含む語句
日蔽
蔽被
蔽膝
隠蔽
蔽布
立蔽
打蔽
蔽重
蔽包
掩蔽
遮蔽
蔽物
掩蔽物
言路壅蔽
蔽覆
覆蔽
蔽蓋
蔽隠
隱蔽
遮蔽膜
...