芳志こころざし)” の例文
親方様ともろともに肩を並べて世にうたわるれば、汝の苦労の甲斐も立ち親方様のありがたいお芳志こころざしも知るる道理、妾もどのように嬉しかろか喜ばしかろか
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「それで安心。……妾アどうなることかと。……でも、芳志こころざしには芳志を。……失礼ながら旅用のしに……」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そなたの芳志こころざしはうれしくおもいますが、こればかりはあきらめてたもれ。おうとおもえばいつでもえる世界せかいであるから何処どこまなければならぬということはないはずじゃ。
世の慾を捨てし我らなればその芳志こころざしうくるのみ、美味と麁食とをえらばず、わずかに身をば支ふれば足れりといふにぞ、便すなわち稗の麨を布施しけるに、僧は稗の麨を食しおわりてさりたりける。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「どうぞあなたのお芳志こころざしをお施こしなされてくださいまし」
開運の鼓 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)