しゅう)” の例文
しゅうと云う文字がはいったのちも、「ふね」は常に「ふね」だったのです。さもなければ我々の言葉は、支那語になっていたかも知れません。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「九年前の一しゅうの縁を、ここでまた重ねるとはよくよくな。……したがその高氏、なんでこよい、幕府の牢囚ろうしゅう俊基を、ここへお訪ねなされしか」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あくる朝も、楊志は山寨から餞別せんべつを貰うやら、また、王倫以下の盛大な見送りを受けなどして、一しゅうの上から手を振りつつ、梁山泊を離れて行った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春の訪れと共に、梁山泊りょうざんぱくに一しゅう注進ちゅうしんが聞えた。——再編成された官軍の捕盗船隊三、四百艘が、石碣村せっかそんの入江から沖を埋めて、機をうかがっているという報である。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
袁紹の追討令で、追手の軍に追われたり、諸城の太守にとどめられたり、さんざんな憂き目に遭ったが、ついに黄河のほとりまで逃げのびて、一しゅうを拾い、からくも江東へ逃げ渡った。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江上こうじょうに聞く一しゅう妖歌ようか「おまえ待ち待ちあしはな
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)