臑当すねあて)” の例文
旧字:臑當
人数も、わずかに数人で、籠手こて臑当すねあてして、手槍を持ち、小銃を持っているものは、わずかに数人で、大砲は一門もなかった。
鳥羽伏見の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
(月かくれて暗し。籠手こて臑当すねあて、腹巻したる軍兵つわもの二人、上下よりうかがい出でて、芒むらに潜む。虫の声にわかにやむ。)
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その同勢三四十人のなりすさまじさと申したら、悪鬼羅刹あっきらせつとはこのことでございませうか、裸身の上に申訳ばかりの胴丸どうまる臑当すねあてを着けた者は半数もありますことか
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
鼠色の行衣に籠手こて臑当すねあてと見まごう手甲てっこうに脚袢、胡桃の実程もある大粒の水晶の珠数をたすきのようにかけ、手に握太にぎりぶとの柄をすげた錫杖しゃくじょうを突き、背には重そうなおいを負うていた。
木曽駒と甲斐駒 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
御小人目付、御作事奉行、御勘定方、御顔役、御右筆、その他諸勢、甲冑に身をしめて小手臑当すねあて、陣羽織、野山を埋め、えいえいどっと押出せば、勇ましかりける次第なり。
天狗外伝 斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
これが真個ほんとの押掛けで、もとより大鎧罩手こて臑当すねあての出で立ちの、射向けのそでに風を切って、長やかなる陣刀のこじりあたり散らして、寄付よりつきの席に居流れたのは、鴻門こうもんの会に樊噲はんかいが駈込んで
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その同勢三四十人のなりすさまじさと申したら、悪鬼羅刹あっきらせつとはこのことでございましょうか、裸身の上に申訳ばかりの胴丸どうまる臑当すねあてを着けた者は半数もありますことか
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
御使番、御小人目付、御作事奉行、御勘定方、御顔役、御右筆、その他諸勢、甲冑に身をしめて小手臑当すねあて、陣羽織、野山を埋め、えいえいどっと押出せば、勇ましかりける次第なり。
斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)