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罹災者
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りさいしゃ
ふりがな文庫
“
罹災者
(
りさいしゃ
)” の例文
中には何があるのか、その前には四、五人の
罹災者
(
りさいしゃ
)
が、熱心に覗きこんでいた。そのうちの一人が、列を離れて、杜の方に近づきざま
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ええ、御承知の通り現在、我が広島市へは東京をはじめ、名古屋、
或
(
あるい
)
は大阪、神戸方面から、つまり各方面の
罹災者
(
りさいしゃ
)
が続々と相次いで流込んでおります。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
済まぬ事ですが、震災の百ヶ日も過ぎて私共は未だ東京を見ません。然し程度の差こそあれ、私共も
罹災者
(
りさいしゃ
)
です。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
罹災者
(
りさいしゃ
)
達の
蜿蜓
(
えんえん
)
たる流れがまことにただ無心の流れの如くに死体をすりぬけて行き交い、路上の鮮血にも気づく者すら居らず、たまさか気づく者があっても
堕落論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
摂政宮殿下には災害について非常に御心痛あそばされ、当日ただちに内田臨時首相をめし、政府が全力をつくして
罹災者
(
りさいしゃ
)
の救護につとめるようにおおせつけになりました。
大震火災記
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
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それは一方では
罹災者
(
りさいしゃ
)
の苦しみへの同情である、が他方では町全体に渦巻いている純粋な人間の情緒への感動である。今やいっさいの営利のシンボルは町から消え去った。
地異印象記
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
罹災者
(
りさいしゃ
)
四百名中先日の大火で焼け出され避難中の再罹災者七十名であると報ぜられている。
函館の大火について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
しかし万一の場合をおもんぱかって患者の大部分は地下室に移され、警戒警報によって駈けつけた当番の医員たちは、附近の
罹災者
(
りさいしゃ
)
救護に当るため万端の準備を完了していた。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
糧米を分け
薬湯
(
やくとう
)
を与え城中の武士を引卒して自分から親しく
罹災者
(
りさいしゃ
)
を見舞い、神社仏閣へ使者を遣わし
加持
(
かじ
)
や
祈祷
(
きとう
)
を行わせ、ひたすら病魔の退散と罹病者の
平癒
(
へいゆ
)
を願うのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
今では
罹災者
(
りさいしゃ
)
に給与するもののように考えられているが、本来はこの特別の労働が、かならず特別の食物を
以
(
もっ
)
てねぎらうべきものであったことは、葬式の時などとも変りはないのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
近所の交番へ
泥
(
どろ
)
まみれになった
罹災者
(
りさいしゃ
)
が二三人も逃げて来たと聞いて、早速シャツや下着類を持たせてやり、あなた方も
浴衣
(
ゆかた
)
があったら贈ってお上げなさいとアマ達にも熱心に勧めたこと
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そのうちにそんなところよりもむしろ
罹災者
(
りさいしゃ
)
あての配給品が集まってくるところの方に、物資が豊かであることに気がついた。
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ここでは、
罹災者
(
りさいしゃ
)
に対して何の温かい手も差しのべられなかった。毎日毎日、かすかな
粥
(
かゆ
)
を
啜
(
すす
)
って暮らさねばならなかったので、私はだんだん精魂が尽きて食後は無性に
睡
(
ねむ
)
くなった。
廃墟から
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
近所の
罹災者
(
りさいしゃ
)
で、戦争中は私の家に住み、この家を火からまもってくれた。
戯作者文学論:――平野謙へ・手紙に代えて――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
しかしまた、
罹災者
(
りさいしゃ
)
の側に云わせれば、また次のような申し分がある。
津浪と人間
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
罹災者
(
りさいしゃ
)
の体験談もあちこちで聞かされました。
廃墟から
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
罹
漢検1級
部首:⽹
16画
災
常用漢字
小5
部首:⽕
7画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“罹災者”で始まる語句
罹災者寮