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罵言
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ばげん
ふりがな文庫
“
罵言
(
ばげん
)” の例文
そのどろぼうの牛豚のような黙殺の非礼の態度が、どうにも、いまいましく、口から出まかせ、ここぞと
罵言
(
ばげん
)
をあびせかけていたのである。
春の盗賊
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その
罵言
(
ばげん
)
にも、返すことばはないのであった。のみならず、ほんとに、彼ら武家が怒ったら、どんな事態になることやら、はかり知れない。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
罵言
(
ばげん
)
は一切根拠のないものですが、特に注意すべきはかかる非難の過半数がユダヤ系から出たものであることと、もうひとつはドイツ国内にも
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼は言葉を途切らして、ライン河に
拳固
(
げんこ
)
をさしつけ、軽侮の様子で
唾
(
つば
)
を吐き、上品な
罵言
(
ばげん
)
——他の下等な罵言を吐くほど彼は自分を卑しくしなかった——を発した。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
相手はこどもに返つた老人だといふ考への下に、愉快に自分の
罵言
(
ばげん
)
も聴き、寛容も秋成に示せた。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
そこまで読むのが精いっぱいだった、全身ぶるぶる震いだしながら、思わずその手紙を
鷲掴
(
わしづか
)
みにして、「ひどい」と呟やく頭上へ、まるで石でも
抛
(
なげ
)
うつように
罵言
(
ばげん
)
が飛んできた。
恋の伝七郎
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
警部の
罵言
(
ばげん
)
がますます激しくなり、ことば数が多くなればなるほど、彼女の顔つきはいよいよ愛想がよくなり、ものすごい警部に向けられた微笑は、ひとしお魅惑を増してきた。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
狂ったような黒い極端な怒りの閃光にとらえられて、私は思いつくかぎりの
罵言
(
ばげん
)
を吐き散らし、衝動的に茶碗を取り上げると、畳に叩きつけた。安物のせいか、湯呑みは割れなかった。
愛のごとく
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
罵言
(
ばげん
)
をやめないのである。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
青谷技師は調室の真中に引きだされ、署長以下の
険
(
けわ
)
しい視線と
罵言
(
ばげん
)
とに責められていた。彼は極力犯行を否定した。
人間灰
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
まったく
一行
(
いちぎょう
)
の詩も書けなくなり、
反駁
(
はんばく
)
したいにも、どうにも、その
罵言
(
ばげん
)
は何の手加減も
容赦
(
ようしゃ
)
も無く、私が小学校を卒業したばかりで何の学識も無いこと
男女同権
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
彼は立ち上がり、クリストフが正当だと叫び、非難者を
反駁
(
はんばく
)
し、格闘したがっていた。
臆病
(
おくびょう
)
な少年たる彼とは思えなかった。彼の声は
喧騒
(
けんそう
)
のうちにもみ消された。露骨な
罵言
(
ばげん
)
を招いた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
王平は黙然と、彼の
罵言
(
ばげん
)
にこらえていた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、私は自分ながら、あまり、筋の通ったこととも思えないような
罵言
(
ばげん
)
をわめき散らして、あの人をむりやり、扉の外へ押し出し、ばたんと扉をしめて錠をおろした。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ネルスキーは、ついに勘忍袋の緒を切らしたという風に、あくどい
罵言
(
ばげん
)
をはきはじめた。それでも金博士は、やはり西瓜の種を
喰
(
くら
)
うことだけに口をうごかして、ネルスキーのためには
応
(
こた
)
えない。
地軸作戦:――金博士シリーズ・9――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いいえ、日本人の悪口は、威勢がいいだけで、むしろ
淡泊
(
たんぱく
)
です。辛辣というのは当りません。支那には
他媽的
(
タマテイ
)
という
罵言
(
ばげん
)
がありますが、これなどが本当の辛辣といっていいでしょう。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
罵
常用漢字
中学
部首:⽹
15画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“罵言”で始まる語句
罵言讒謗