綱曳つなびき)” の例文
いいえ、立派な国手せんせい綱曳つなびきでいらっしゃったんですの。でもね、ちっとも分りませんとさ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青山あをやま御所のすこし手前迄ると、電車の左側ひだりがはちゝあに綱曳つなびきいそがしてとほつた。挨拶あいさつをするひまもないうちにちがつたから、向ふは元より気がかずにぎ去つた。代助はつぎの停留所でりた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
曇った天気が何時いつまでも無精に空に引掛って、中々暮れそうにない四時過から家を出て、兄のたくまで電車で行った。青山御所の少し手前まで来ると、電車の左側を父と兄が綱曳つなびきで急がして通った。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)