素讀そどく)” の例文
新字:素読
書物讀み弟子二十人計に相成、至極の繁榮はんえいにて、鳥なきさと蝙蝠かうもりとやらにて、朝から晝迄は素讀そどく、夜は講釋ども仕而、學者之鹽梅あんばいにてひとりをかしく御座候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
示して十をさとるの敏才びんさいあれば師匠ししやうの感應院もすゑ頼母たのもしく思ひわけて大事に教へやしなひけるされば寶澤は十一歳の頃は他人の十六七歳程の智慧ちゑありて手習は勿論もちろん素讀そどくにも達し何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
塾生の伊場健之助は十八、ニキビだらけで背高童子で、さる大藩のお留守居の子、田舍の豪士の伜の狩屋三郎といふのは二十二で、ちよいと良い男で子曰くの素讀そどくよりは、小唄を轉がす方が上手だ。
隣の長谷倉甚六郎の浪宅からは、何やら素讀そどくを教へる聲。
「金澤町の素讀そどくの師匠皆川半之丞」