ろう)” の例文
しかし今も木辻の東南に中辻町というのがあって、そこにろうの坂という名があったのは耳よりな話である。中辻あるいは中尾の辻子ずしの転訛ではあるまいか。
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
その者は窮貧の生活を営み、みつ十三ろうをやしないて渡世をなしおれりとぞ。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
庖丁はうちやうを学ばざるも、卿等が其美を以てすれば、天下にまた無き無上権を有して、抜山蓋世ばつざんがいせの英雄をすら、掌中にろうするならずや、百万の敵も恐るゝに足らず、恐るべきは一婦人いつぷじんといふならずや
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
三夜ろうに帰らず
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)