節会せちゑ)” の例文
隣にある昔の市長の住んだドガアルの宮殿はモネがこのいた絵で見知つて居たが、僕の着いた当日は何かの節会せちゑで縦覧させない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
踏歌節会せちゑのことほぎに出る卜部たちや、田楽師等の異装にも、まだ上の上が出て来たのだ。
迷信的空想的詩歌的音楽的美術的女性的夢幻的享楽的虚栄的に、イソップ物語の蟋蟀きりぎりすのやうに、いつまでも草は常緑で世は温暖であると信じて、恋物語や節会せちゑの噂で日を送つてゐる其の一方には
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
節会せちゑもおこなはれず
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
待ちこがれて居た二月二十日はつか謝肉祭キヤルナヷル、その前後五日いつかわたつて面白かつた巴里パリイの無礼講の節会せちゑも済んで仕舞しまつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
美術館も休んでると聞いてむかひの岸へ渡ることを止め、海岸へ出て真直まつすぐに北へ歩いた。アドリヤ海は春の様に霞んで碇泊してる大小の汽船は節会せちゑの為に満艦飾をして居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
節会せちゑの日に喜び狂ふ学生等の如く
失楽 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)