筑紫琴つくしごと)” の例文
ト月過ぎタ月すぎてもこのうらみ綿々めんめんろう/\として、筑紫琴つくしごと習う隣家となりがうたう唱歌も我に引きくらべて絶ゆる事なく悲しきを、コロリン
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
二箇ふたりの賊は商量だんがふして、次の日、何れの里にてか、筑紫琴つくしごと三絃さみせんなんど盗み来つ、この両種ふたくさをお夏に授けて、ひかせもし、歌はせもして、時なく酒の相手とす。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
筑紫琴つくしごとうた』にもある通り、庚申かのえさるかなさるに通うより庚申の夜祈れば何事も叶うとしたらしい。
ゆうは、小侍を顧みて、一面の筑紫琴つくしごとをかりうけ、月明りのす月の間から、琴をだんじた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうちに燭台しょくだいの花を飾ッて酒宴が始まると、客の求めで娘は筑紫琴つくしごとを調べたがどうして、なかなか糸竹の道にもすぐれたもので、その爪音つまおとの面白さ,自分は無論よくは分らなかッたが
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)