立止たちとゞ)” の例文
女は突然立止たちとゞまりて、近くの街燈をたよりに、少時しばし余が風采みなりを打眺め候ふが、忽ちべにしたる唇より白き歯を見せて微笑み候。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
七八もんやりしに有難うとふ其聲音迄文右衞門に寸分ちがはずあまり不思議に思ひしかば立止たちとゞまつてかさうち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
立出たちいで江戸馬喰町熊谷屋利八方へとまこみしが日永ひながの頃なれば退屈たいくつなりとて直八は兩國淺草又は上野うへの山下邊やましたへんなど見物なし廣小路ひろこうぢへ出で五條の天神まへへ來りし所に天道干てんだうぼし道具屋だうぐやに二尺五寸程の脇差わきざしありしが何やら見覺えのある品ゆゑ直八は立止たちとゞまり此脇差を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)