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たちとゞ
女は突然
立止まりて、近くの街燈をたよりに、
少時余が
風采を打眺め候ふが、忽ち
紅したる唇より白き歯を見せて微笑み候。
七八
文遣しに有難うと
云ふ其聲音迄文右衞門に寸分
違はず
餘り不思議に思ひしかば
立止まつて
笠の
内を
立出江戸馬喰町熊谷屋利八方へ
泊り
込しが
日永の頃なれば
退屈なりとて直八は兩國淺草又は
上野山下邊など見物なし
廣小路へ出で五條の天神
前へ來りし所に
天道干の
道具屋に二尺五寸程の
脇差ありしが何やら見覺えのある品
故直八は
立止まり此脇差を