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空店
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あきだな
ふりがな文庫
“
空店
(
あきだな
)” の例文
それは、
演戯茶房
(
しばいちゃや
)
蔦屋
(
つたや
)
の
主翁
(
ていしゅ
)
の
芳兵衛
(
よしべえ
)
と云う者であったが、
放蕩
(
ほうとう
)
のために失敗して、
吉原角町河岸
(
よしわらすみちょうがし
)
の
潰
(
つぶ
)
れた女郎屋の
空店
(
あきだな
)
を借りて住んでいた。
幽霊の衣裳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
死んだきょうだいの四人は、差配の家で
湯灌
(
ゆかん
)
をし、みんなで死装束をしてやってから、卯兵衛の隣りにある
空店
(
あきだな
)
に移した。
赤ひげ診療譚:06 鶯ばか
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そういうわけですから、家はもう
空店
(
あきだな
)
になってしまって、二、三日中にほかの人が越して来るとかいう噂でございます
半七捕物帳:09 春の雪解
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そこで、彼女は
側
(
そば
)
の
空店
(
あきだな
)
の中へ、素早く入って身を忍ばせ、二人の話を立聞きした。その中に勘兵衛が無礼の仕打ちを、主税に対してとろうとした。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
長屋はたった四軒、右側の二軒は
空店
(
あきだな
)
で、お秋の家は左側の奥、私のうちの隣でさ、稼業柄思い切り
汚造
(
きたなづく
)
りな暮し向きだから、外から泥棒か入りっこはありません。
銭形平次捕物控:058 身投げする女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
寅吉は独り者であるから、家族について調べるという
術
(
すべ
)
もない。近所の者が集まって投げ込み同様の葬式を済ませたので、その家は
空店
(
あきだな
)
になったままである。
半七捕物帳:53 新カチカチ山
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
建具屋の金次と、上總屋の掛り人で、お紋に
執拗
(
しつこ
)
く附き
纒
(
まと
)
つたために、店から遠ざけられ、裏の
空店
(
あきだな
)
を借りて、夜だけ其處へ泊つてゐる市五郎でなければなりません。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その主税の眼の前の地上を、小蛇らしいものが一蜒りしたが、
空店
(
あきだな
)
の雨戸の隙の方へ消えた。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「こっちも向うも、みんな
空店
(
あきだな
)
のようだな」
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お
供物
(
くもつ
)
なんぞを盗み食いしていたのが、だんだん増長していろいろの悪戯を始め出して、そのうちに囲い者の家があいたもんだから、その
空店
(
あきだな
)
の方へ巣替えをして
半七捕物帳:06 半鐘の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
平次自身も一日一度づつは覗いてゐるのですが、此間の事件があつてから後は、殆んど
空店
(
あきだな
)
のやうに空つぽにして、巳之松は言ふ迄もなく、母親のお茂も、娘のお信も寄りつきません。
銭形平次捕物控:250 母娘巡礼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
隣りは
空店
(
あきだな
)
ですし、路地を出這入りする時にも好い塩梅に誰にも見付からなかったんです。
半七捕物帳:12 猫騒動
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
夢中で飛び込んだ軒下は運惡く
空店
(
あきだな
)
で、その先は材木置場、二三軒拾つて安全な場所へ
辿
(
たど
)
り着くまでに、お勢の身體は川から這ひ上がつたやうに、思ひおくところなく濡れてをりました。
銭形平次捕物控:125 青い帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夢中で飛び込んだ軒下は運悪く
空店
(
あきだな
)
で、その先は材木置場、二三軒拾って安全な場所へ
辿
(
たど
)
り着くまでに、お勢の身体は川から
這
(
は
)
い上がったように、思いおくところなく
濡
(
ぬ
)
れておりました。
銭形平次捕物控:125 青い帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「やあ、
空店
(
あきだな
)
だ」と、松吉は眼を丸くした。
半七捕物帳:67 薄雲の碁盤
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
店
常用漢字
小2
部首:⼴
8画
“空”で始まる語句
空
空地
空虚
空想
空洞
空腹
空家
空気
空嘯
空手