短篇たんぺん)” の例文
ソログーブの最大傑作さいだいけっさくは『小悪魔しょうあくま』とされているが、われわれにもっと愛着あいちゃくかんじさせる、したしみぶか作品さくひん短篇たんぺんこと少年少女しょうねんしょうじょ主題しゅだいにした短篇小説たんぺんしょうせつである。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
もうこのようになれば、どんな風に藻掻もがこうと、短篇たんぺんでは作家はただ死ぬばかりだ。純粋小説論の起って来たのは、すべてがこの不安に源を発していると思う。
純粋小説論 (新字新仮名) / 横光利一(著)
(二十三年四月)廿にぢう二年の十二月でした、篁村翁くわうそんおう読売新聞社よみうりしんぶんしや退いたにいて、わたしに入社せぬかと高田氏たかだしからの交渉かうしやうでしたから、すぐおうじて、年内ねんない短篇たんぺんを書きました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その内フト啓吉は、今日見た場面を基礎きそとして、短篇たんぺんの小説を書こうかと思い付いた。
死者を嗤う (新字新仮名) / 菊池寛(著)
私は聊斎志異りょうさいしいの中の一つの物語を骨子こっしとして、大いに私の勝手な空想を按配あんばいし、「清貧譚せいひんたん」という短篇たんぺん小説に仕上げて、この「新潮」の新年号に載せさせてもらった事があるけれども
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)