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矢柄
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やがら
ふりがな文庫
“
矢柄
(
やがら
)” の例文
「さすがは
重喜
(
しげよし
)
、油断なく自分の姿をもう見つけたか? ……」と、弦之丞も先の用意の周密なのに驚いて、
矢柄
(
やがら
)
を見ると
切銘
(
きりめい
)
にいわく
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「多分これは、どこかの
社
(
やしろ
)
の奉納額から引き剥して持つて來たものでせう。
矢柄
(
やがら
)
に二箇所
斑
(
まだら
)
になつてゐるところがございます」
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これも塚原
渋柿園
(
じゅうしえん
)
の
直話
(
じきわ
)
ですが、牛込の江戸川橋のそばに
矢柄
(
やがら
)
何某という槍の先生がありました。
江戸の化物
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
法水さん、
儂
(
わし
)
ならあの
三叉箭
(
ボール
)
が、裏庭の蔬菜園から放たれたのだと云いますがな。何故なら、今は
蕪菁
(
かぶら
)
の
真盛
(
まっさか
)
りですよ。
矢筈
(
やはず
)
は蕪菁、
矢柄
(
やがら
)
は
葭
(
よし
)
——という
鄙歌
(
ひなうた
)
を、たぶん貴方は御存じでしょうが
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
見えるかぎりのものは、残雪の泥土と、るいるいたる
死屍
(
しし
)
だった。破れた旗、いたずらに
空
(
むな
)
しき
矢柄
(
やがら
)
、折れた
鎗
(
やり
)
、すべては泊兵の残骸ではないか。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
咄嗟
(
とつさ
)
の間に、新六郎はそれを拾つたのでせう。
矢柄
(
やがら
)
も羽もぐつしより濡れて、もはや血の跡もありませんが、不氣味なほど鋭い矢尻をつけた、二尺にも足らぬ
逞
(
たくま
)
しく短い矢です。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いやその紅顔は童子ともみえるが年はもう十八、九の若者で、破れた衣服、鳥の巣のようなあたま、腰には残る一本の
矢柄
(
やがら
)
を
挿
(
さ
)
し、手には
四川弓
(
しせんきゅう
)
(半弓)を持っている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
橋架
(
はしげた
)
の下から二筋、それから水の中から二筋見付かつた——
矢柄
(
やがら
)
は浮くが、矢尻が重いから、矢が水の中におつ立つて羽がなくては見付からなかつたことだらう。幸ひ、水があまり
濁
(
にご
)
つてゐないから——」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と書かれ、
香花
(
こうげ
)
、
燈燭
(
とうしょく
)
のかざりはいうまでもなく、特に供えられた一すじの“誓いの矢”が人目をひいた。これなん
晁蓋
(
ちょうがい
)
を殺した「
史文恭
(
しぶんきょう
)
」と彫りのある毒矢の
矢柄
(
やがら
)
なのである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
矢柄
(
やがら
)
をふりかざして駈けだして来た。茶々を、打とうとするのである。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
侍女を、
鏃
(
やじり
)
のない
矢柄
(
やがら
)
で打っているのだった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
矢
常用漢字
小2
部首:⽮
5画
柄
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“矢柄”で始まる語句
矢柄師
矢柄源兵衛