直話ぢきわ)” の例文
武さんは牛乳配達の帰つたあと早速さつそく感謝の祈祷をした。——これは武さんの直話ぢきわである。僕は現世にもかういふ奇蹟きせきの行はれるといふことを語りたいのではない。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
つたとふ——眞個ほんたうらん、いや、うそでない。これわたしうちて(久保勘くぼかん)とめた印半纏しるしばんてんで、脚絆きやはんかたあしをげながら、冷酒ひやざけのいきづきで御當人ごたうにん直話ぢきわなのである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
次の一節は頗る長く、大窪天民と喜多可庵との直話ぢきわを骨子として、逐年物價が騰貴し、儒者畫家などの金をることも容易ならず、束脩そくしう謝金の高くなることを言つたものである。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
アメリカの前大統領タフトの直話ぢきわである。