盲法師めくらほうし)” の例文
だから、一時的にはわれは海尊と名乗って、実歴風に処々の合戦や旅行を説くことは、いずれの盲法師めくらほうしも昔は通例であったかと思うが。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
これより先、道庵の家の一間で、中に火の入れてない大きな唐銅からかね獅噛火鉢しかみひばちを、盲法師めくらほうしの弁信と、清澄の茂太郎が抱き合って相談したことには
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
はかない盲法師めくらほうしでもちゅうぎは人とかわりませぬから、すこしでも御しんろうがえますように、せい/″\御きげんうるわしゅうおくらしなされますようにと、こゝろをこめておつかえ申し
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
盲法師めくらほうしの弁信とお蝶とが連れ立って通りかかった時、自分はムクと共にあちらから駈けつけて見たけれど、その人は煙の如くに消えてしまった。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ある日のこと、表通りは押返されないほど賑やかだが、人通りもない湿っぽい路次のところから、この軽業小屋の楽屋へ首を出した一人の盲法師めくらほうしがありました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
神尾主膳はこう言って、またこの盲法師めくらほうしの首の根を押えてつるし上げようとします。酒乱とは言いながら、ほんとうにこの盲法師を井戸の中へ投げ込むつもりと見えます。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
舟の舳先へさきの部分に、抜からぬかおで座を構えているのが、盲法師めくらほうしの、おしゃべり坊主の弁信であって、舟のこちらに、勢いよくを押しきっているのが、宇治山田の米友であります。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
まずこういう具合に……エエと、この街道を琵琶をいて流して歩いたおしゃべりの盲法師めくらほうしを見かけたお方はございませんか、こういって尋ねて歩いたのが、つまり成功の元なんですね。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
という大干たいかんにかかった時に、最初から鼻をひこつかせていた盲法師めくらほうしの弁信が、いよいよ法然頭を前後左右に振り立てて、さながら見えぬ眼に、何かを探そうとするらしき振舞のみが甚だ目ざわりです。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
火燈口かとうぐちの下に座を構えた盲法師めくらほうしの弁信は、物を言いはじめました。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
盲法師めくらほうしは木の上を見上げながら、ぞっとして立ちすくみました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その怪物とは、盲法師めくらほうしの弁信であります。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
盲法師めくらほうし
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)