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百足虫
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むかで
ふりがな文庫
“
百足虫
(
むかで
)” の例文
旧字:
百足蟲
一丈五尺もある
百足虫
(
むかで
)
が群れをなし、怪獣ベヘモスの浴場にもなり得ようという、テーベの奇怪な沼のように人々はそれを思っていた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それから夜明けにかけて、全軍の兵は、
蜿蜒
(
えんえん
)
と
百足虫
(
むかで
)
のような長い
柵
(
さく
)
を
結
(
ゆ
)
い廻しにかかった。一本の
杭
(
くい
)
を打ち込むにも位置や深さの法則があった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「俺はその虫が大嫌いでな。
蚤
(
のみ
)
、
虱
(
しらみ
)
、バッタ、カマキリ、
百足虫
(
むかで
)
、——虫と名のつくものにろくなものがない」
銭形平次捕物控:082 お局お六
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
百足虫
(
むかで
)
のように頭の中を刺しまわって、何を見るにも血色の網からのぞくような気持だったが、今夜という今夜こそ、この鐘がなりひびいた祈誓の結着に、たたきひしいでくれようわ。
道成寺(一幕劇)
(新字新仮名)
/
郡虎彦
(著)
船べりからは
百足虫
(
むかで
)
のように
艪
(
ろ
)
の足を出し、
艫
(
とも
)
からは鯨のように
舵
(
かじ
)
の尾を出して、あの物悲しい北国特有な漁夫のかけ声に励まされながら、まっ暗に襲いかかる波のしぶきをしのぎ分けて
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
「ぢや、あんた、
百足虫
(
むかで
)
をもつてるの。ああ、おつかない。」
母子ホームの子供たち
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
ユルシュリーヌの建築材置き場の中にははさみ虫、パンテオンには
百足虫
(
むかで
)
、練兵場の
溝
(
どぶ
)
の中にはおたまじゃくしがいる。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
幾つもの赤い火が
蝟集
(
いしゅう
)
して、一疋の
百足虫
(
むかで
)
のような形を作りながら、山と山の間を縫って来るものとおぼえます。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
火の
百足虫
(
むかで
)
はだんだんに山の尾根をすすんで、二人の目の下まで進んで来ています。そしてまた幾分か登りながら何かの足場を求めている動作に見える。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでこの二十四人の男は、馬車からおりて歩くようなことになれば、同一のものに無理に縛られ、鉄の鎖を背骨としてほとんど
百足虫
(
むかで
)
のように地上をはい回らねばならなかった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
寸断された
百足虫
(
むかで
)
のように、輜重車は、なだれくだって、谷間のふところへ出た。ここにも待っていた一隊の敵があった。許褚の影を見かけるや否、その敵将は、
迅雷
(
じんらい
)
一電
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小さい時のことは、まわりに
百足虫
(
むかで
)
や
蜘蛛
(
くも
)
や
蛇
(
へび
)
ばかりがいた時代のように思われた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ごくり、ごくり、と酒の入ってゆく宅助の
喉
(
のど
)
が、
百足虫
(
むかで
)
の腹のように太った。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのうちに、後から後から競馬場へ来る二人曳きの腕車や馬車がれきろくとしてつづき、そしてたちまち、停滞車に道を
塞
(
ふさ
)
がれて
百足虫
(
むかで
)
のように止まった。——お光さんは平然としてうごかない。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
百
常用漢字
小1
部首:⽩
6画
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
虫
常用漢字
小1
部首:⾍
6画
“百足虫”で始まる語句
百足虫腹