白樫しらかし)” の例文
小高く、一寸見晴らしがよかった。風に吹飛ばされぬようはりがねで白樫しらかしの木にしばりつけた土間共十五坪の汚ない草葺の家が附いて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
しかし白樫しらかしは格別、普通のどんぐりを食うと唖になるとか云い伝えられているので、誰も口へ入れる者はなかった。多くは戦争ごっこの弾薬に用いるのであった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
代々木の白樫しらかしがもと黄楊つげがもと飛びてりきし栗鼠りす吾妹わぎも
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
枝をまじゆる白樫しらかし
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ゆさ/\とやわらかなえそうな若葉をかぶった白樫しらかし瑞枝みずえ、杉は灰緑かいりょく海藻かいそうめいた新芽しんめ簇立むらだて、赤松あかまつあか黒松くろまつは白っぽい小蝋燭ころうそくの様な心芽しんめをつい/\と枝の梢毎うらごとに立て
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)