のぼり)” の例文
彼我等を岩の截られたる處にみちびき、こゝに羽をもてわが額を打ちて後、我にのぼりの安らかなるべきことを約せり 九七—九九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
なぜ午までに着かなくっちゃならないんだか、訳が分らないが、聞いて見る勇気がなかったから、黙って食っついて行った。するとなるほどのぼりになって来た。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
幽山にのぼるの興はのぼりつきたる時にあらず、荒榛くわうしんひらき、峭※せうがくわたる間にあるなり、栄達はうらやむべきにあらず、栄達を得るに至るまでの盤紆はんうこそ、まことにきんすべきものなるべし。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
そのほとりには黒衣めが、興に乗じて躍りゐしのみ、余の獣們は腹を満たして、各自おのおの棲居すみかに帰りしかば、洞には絶えて守護まもりなし。これより彼処かしこへ向ひたまはば、かの間道よりのぼりたまへ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
うえを向いて御覧なさい。あんな高い所へおのぼり
されどのぼり障礙しやうげとなるもの夜の闇のほかにはあらず、この闇能力ちからを奪ひて意志をさまたぐ 五五—五七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こは天の靈なり、己が光の中にかくれ、我等の請ふを待たずして我等にのぼりの道を示す 五五—五七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)