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癆症
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らうしやう
ふりがな文庫
“
癆症
(
らうしやう
)” の例文
『
御城代樣
(
ごじやうだいさま
)
の
御容態
(
ごようだい
)
は、
先
(
ま
)
づお
變
(
かは
)
りがないといふところでございませうな。
癆症
(
らうしやう
)
といふものは
癒
(
なほ
)
りにくいもので。』と、
玄竹
(
げんちく
)
は
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「町内の
見庵
(
けんあん
)
樣が、
癆症
(
らうしやう
)
になるといけないから、毎日身體に精をつける藥を呑むやうにつて、煎じ藥を下さいました」
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と思ふと雪の降る頃から、今度は当主が
煩
(
わづら
)
ひ出した。医者の見立てでは昔の
癆症
(
らうしやう
)
、今の肺病とか云ふ事だつた。彼は寝たり起きたりしながら、だんだん
癇
(
かん
)
ばかり
昂
(
たかぶ
)
らせて行つた。
庭
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
反
(
かへ
)
つて
苦
(
く
)
に
病
(
や
)
み
年頃
(
としごろ
)
に成し身にしてあの如く
外
(
そと
)
へも出ねば
癆症
(
らうしやう
)
も
發
(
おこ
)
りやすらん
一個
(
ひとり
)
の
外
(
ほか
)
掛替のなき者なるを
病
(
やまひ
)
起
(
おこ
)
らば
如何
(
いかに
)
せんと
長年
(
ながねん
)
勤
(
つとむ
)
る
管伴
(
ばんたう
)
の忠兵衞を
聘
(
よ
)
び事の由を話して
折
(
をり
)
も有しならば息子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一と眼で
癆症
(
らうしやう
)
と見える蒼黒い皮膚や、頬のあたりの猩紅熱から來るらしい紅潮、皺枯れて彈力を失つた聲などは、寢てゐる中風病みの父榮左衞門よりも哀れな存在です。
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
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「お糸は可哀想に寢たつ切りですよ、物置のやうな裏二階で、——たつた十九になつたばかりで、姉のお琴よりもきりやう良しですが、
癆症
(
らうしやう
)
の氣味で三月も起きません」
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
可哀想に、あんなに綺麗で優しかつた、お濱が——醫者は
癆症
(
らうしやう
)
だと申しますが、
咳
(
せき
)
一つしない癆症といふものがあるでせうか、癆症は
癆咳
(
らうがい
)
と申しまして、咳のひどい病氣だと聽いて居りますのに。
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
事情が事情だつたので自殺だといふ噂も立ちましたが、事實はひどい
懊惱
(
あうなう
)
と貧苦のために、
癆症
(
らうしやう
)
が重くなり『歸つた夫』を迎へて、もう一度以前の平和な生活を樂しむことも出來なかつたのです。
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「私共にはよくわかりませんが、
癆症
(
らうしやう
)
だと聽いて居りますが」
銭形平次捕物控:285 隠れん坊
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ブラブラ病ひで御座いました。
癆症
(
らうしやう
)
だつたかも知れません」
銭形平次捕物控:169 櫛の文字
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
癆
漢検1級
部首:⽧
17画
症
常用漢字
中学
部首:⽧
10画
“癆”で始まる語句
癆咳
癆痎
癆
癆咳病
癆性
癆核
癆瘵
癆痎必治