疝氣せんき)” の例文
新字:疝気
たゞてのひどふゆなどには以前いぜんからの持病ぢびやうである疝氣せんきでどうかするとこしがきや/\といたむこともあつたが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
だから綱田屋の主人の部屋にはが切つてある、——尤もあの五郎次郎といふのは、若い時の道樂がたゝつてひどい疝氣せんきださうで、夏でも時々は股火鉢で温める。
前年ぜんねんの八ぐわつ英堂和尚えいだうをしやう南都なんと西大寺せいだいじから多田院ただのゐんへのかへりがけに、疝氣せんきなやんで、玄竹げんちく診察しんさつけたことがあるので、一きりではあるが、玄竹げんちく英堂和尚えいだうをしやう相識さうしきなかであつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
雜司ヶ谷の荒物屋の利八といふ親爺がある。寅旦那にひどい眼に逢はされたとかで、何時かはきつと殺してやると觸れ廻して居るが、その晩は疝氣せんきを起して早寢を
「音羽の荒物屋の利八は疝氣せんきが起きて早寢をしたのは本當で、音羽の本道が言ふんだから嘘ぢやないでせう。——あの晩の容體ぢや、便所へ行くのも難儀だつたに違げえねえつて」
「あつしの親の敵なら疝氣せんきの蟲で、へツ、そんなものに驚きやしませんが」