異変いへん)” の例文
旧字:異變
ところで主人が居なくなった東京の故宅こたくには、一小事変が起ったのである。それは別事ではなく、妻の身体に生理的異変いへんが起ったのである。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
「そちがさぐってきた、若君わかぎみのご異変いへん、また都田川みやこだがわ刑場けいじょうでおこなわれる時日じじつ、かならずまちがいのないことであろうな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そんなことは仕掛の工合ぐあいでどうにでもなりますよ。たとえぼ、鞄の把柄を手に持って鞄を下げているときには、スイッチがはずれるようになっていて異変いへんは起らない。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかるを 菅神のうらみ玉はざりしは配所の詩哥にてもしらる、 菅神はうらみ玉はずとも賢徳けんとく忠臣の冤謫ゑんてきを天のいきどほりて水旱すゐかん風雷ふうらい異変いへん讒者ざんしや奸人かんじん死亡しばうありしならん。
もしお千絵殿の身に異変いへんがあったら、すべては水泡すいほうに帰してしまうがと、彼の心は気が気ではなくなった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかるを 菅神のうらみ玉はざりしは配所の詩哥にてもしらる、 菅神はうらみ玉はずとも賢徳けんとく忠臣の冤謫ゑんてきを天のいきどほりて水旱すゐかん風雷ふうらい異変いへん讒者ざんしや奸人かんじん死亡しばうありしならん。