画図がと)” の例文
旧字:畫圖
福山侯の家来成斎が、いかに幕府の奥医師の子を尊敬しなくてはならなかったかという、当年の階級制度の画図がとが、あきらかおさない成善の目前に展開せられたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかしその美しさは、私だけに見える美しさではないか? 私以外の人間には、平凡な画図がとに過ぎないのではないか?——なぜかそういう疑いが、始終私を悩ませるのです。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
然らざれば殊更ことさらに風景をゆびさして嘆賞ししくは甚しく驚愕きょうがくするが如きさまをなせり。然るに広重が画図がと中には猪牙ちょきぐ船頭も行先を急がぬらしく、馬上に笠をいただく旅人は疲れて眠れるが如し。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かんこころ影子えいしなり、ゆめこころ画図がとなり」と、また
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)