用立ようだて)” の例文
わくものなれば今なくとも出來る時節じせつ有事あることゆゑもし其樣な事にて御心配しんぱいなさるは御無用なり縱令たとへ御貯おたくはへの路金ろぎんつきたりとも御病氣御全快ごぜんくわい迄は御心しづかに御逗留とうりう成るべし其間は何によらず御入用有ばおほせられよ又少々の金子なれば隨分ずゐぶん用立ようだて申べし必ず然樣な事に御遠慮ごゑんりよあるべからずと深切しんせつなる亭主の言葉にお花はなみだ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
用立ようだて申べし其上は自力じりきに及びがたしといふ彌次六申やう御入用高は未だとく相伺あひうかゞはねばまづ貴殿方きでんかたの御都合つがふもあれば夫だけ御用立下さるべしと云に肥前は委細ゐさい承知しようちなして歸宅きたくせしが早速さつそく右の金子三百兩持參ぢさんしければ此むね天一坊大膳へ申し談じ則ち天一樣御出世の上は永代米三百俵づつ毎年まいねん奉納ほうなふ有べしとしたゝめし證文しようもん引替ひきかへにし金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)