おひ)” の例文
わらの上から引取つたおひで、情愛の上にいくらかかみしもを着たものがあり、第二番の直接原因は、お絹の里が商賣の手違ひから去年の暮を越し兼ねて居るのを見て
おひの小僧つ子に塩をつけられて、国香亡き後は一族の長者たる良兼ともある者が屈してしまふことは出来ない。護も貞盛も女達も瞋恚しんいの火をもやさない訳は無い。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
不便ふびんだんべぢやねえかねえ不具かたわおひのことをねえ、保證ほしようつたくれえ身上しんしやうつぶれるつち挨拶あいさつなのさ、ねえこれ、年齡としとつちやこつちのおとつゝあんさきみじけえのに心底しんてえのえゝものでなくつちや
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ハツバス・ダアダアはこれを憎みてあはれさいはひの神は、すぐなる「ピニヨロ」の木を顧みで、珠を朽木にげ與へしよなどいひぬ。ベルナルドオは羅馬の議官セナトオレおひにて、その家富みさかえたればなるべし。
あの宗之助といふのは、殺された主人峰右衞門のおひの子で、實は女だつたのさ、——それ、二階の窓から顏を
私が若し人にあやめられて死ぬやうな事があつたら、二人のをひを調べて貰ひ度い、近いうちに私を殺す者があるに違ひないと思ふが、下手人はおひの專三郎でなければ彦太郎だ。
「そいつは良いことに氣がついてくれた。おひの八五郎より立派な御用聞になれるぜ叔母さん」
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
佐渡屋の妹娘のおのぶといふ十四になるのと、手代の直次郎とおひの與之助の三人、女主人のお兼は、すぐ助けられて大したこともなく、娘のお絹はくひか何んかで肩を打ちましたが