瑞樹みづき)” の例文
世間の双生児ふたごにはめづらしい一つの胞衣えなに包まれて居たのでしたよ、などとこんな話を口の中でした瑞樹みづきの顔をのぞかうとするのでしたが
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
まことの歌である。島崎氏の歌は森の中にこもる鳥の歌、その玲瓏のさへづり瑞樹みづき木末こずゑまで流れわたつて、若葉の一つ一つを緑の聲にかさずば止まなかつた。
新しき声 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
さんは、瑞樹みづきのかくれ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
私が今日けふまたこんな物を書いて置かうと思ひましたのは、花樹はなき瑞樹みづきが学校へ草紙代や筆代で四十六銭づヽ持つてかねばならないと云ひまして
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
みち瑞樹みづきがくれに
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
花樹はなき瑞樹みづきの二人が一緒に生れて来る前の私が、身体からだの苦しさ、心細さの日々にち/\に募るばかりの時で、あれを書かなければならなくなつたのだと覚えて居ます。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)