玉襷たまだすき)” の例文
各町から一人ずつ五十人の舁人かきと。白の浜縮緬に大きく源氏車を染め出した揃いの浴衣。玉襷たまだすき白足袋しろたび、向う鉢巻。
本居学と水戸学とはすこぶる不同あれども、尊攘の二字はいずれも同じ。平田はまた本居とも違い癖なる所も多けれども『出定しゅつじょう笑語しょうご』『玉襷たまだすき』等は好書なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
と、にょっと出た、お源を見ると、取次に出ないも道理、勝手働きの玉襷たまだすき長刀なぎなた小脇に掻込かいこんだりな。高箒たかぼうき手拭てぬぐいかぶせたのを、柄長に構えて、逆上のぼせた顔色がんしょく
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真淵は遠江とほたふみ浜松の新宮の禰宜ねぎ岡部定信の二男で、享保十八年三十七歳で京都に出て、荷田春満の門に入つた。足かけ四年で師の春満は死んだが、平田篤胤あつたね玉襷たまだすきの中で
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
美しき人や蚕飼こがい玉襷たまだすき
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)