猪武者いのししむしゃ)” の例文
猪武者いのししむしゃめが、向こう見ずめが! 死んだ者のために死ぬなんてなんのことだ。これで気が狂わずにいられるか。
我軍の攻撃にって防戦したのであろうが、味方は名に負う猪武者いのししむしゃ英吉利イギリス仕込しこみのパテントづきのピーボヂーにもマルチニーにもびくともせず、前へ前へと進むから
時に利のないときにも、かならず突破しなければならぬとおし出していくのは、猪武者いのししむしゃだ、匹夫の勇だ。すすむを知って、しりぞくを知らないものは、真の勇士ではない
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
近藤のように幕府一点張りの猪武者いのししむしゃではない、これは勤王攘夷で行かなければ事はせないと見たものだろう、その意見の相違から分立の勢いとなったが、今いう通り
自分に妻子がないから死ぬことは平気なもので、何とも思わずに猪武者いのししむしゃで戦いをやるものですから、チベットでは坊主の暴れ者は仕方がないという評判さえ立って居るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
それだから、いやさ。すぐ、そんな風にに火がいたようになるのは、猪武者いのししむしゃというものですよ。ほんとうに、雪之丞に、意趣返しをなさるおつもりなら、ちゃんと、陣立てを
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
知らぬ猪武者いのししむしゃと申すのでござります
マリユスは政治的反感の理由のほかになお、いくらか気がやわらいだ時にジルノルマン氏が呼んだように猪武者いのししむしゃである父は、自分を愛していないと思い込んでいた。