猟師かりうど)” の例文
旧字:獵師
猟師かりうどの家につかへ、をさをさ猟のわざにもけて、朝夕あけくれ山野を走り巡り、数多の禽獣とりけものを捕ふれども。つらつら思へば、これまことおおいなる不義なり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
酉陽雑俎いうやうざつそいふ熊胆ゆうたん春はくびり、夏ははらに在り、秋は左の足にあり、冬は右の足にありといへり。こゝろみ猟師かりうどにこれをとひしに、くまきもは常にはらにありて四時しじ同じといへり。
かかる処へ、左右の小笹哦嗟々々がさがさと音して、立出たちいずるものありけり。「さてはいよいよ猟師かりうどよ」ト、見やればこれ人間ひとならず、いとたくましき二匹の犬なり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
酉陽雑俎いうやうざつそいふ熊胆ゆうたん春はくびり、夏ははらに在り、秋は左の足にあり、冬は右の足にありといへり。こゝろみ猟師かりうどにこれをとひしに、くまきもは常にはらにありて四時しじ同じといへり。
さすればその香気かれが鼻を穿うがちて、心魂忽ち空になり、われを忘れて大概おおかたは、その罠に落つるものなり。これよく猟師かりうどのなす処にして、かの狂言にもあるにあらずや。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)