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物尺
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ものさし
ふりがな文庫
“
物尺
(
ものさし
)” の例文
さっきからの口ぶりで大抵判っているが、おめえは行く行くその古着屋の店へ坐り込んで、一緒に
物尺
(
ものさし
)
をいじくる積りでいるんだろう。
半七捕物帳:08 帯取りの池
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
外科医にも制作的情熱は盛でしてね、先生は忙しいのにわざわざ室へ来て、小さい
物尺
(
ものさし
)
を傷の横に当てて持っていて、写真をとらせました。
獄中への手紙:06 一九三九年(昭和十四年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
そして、酒甕と酒甕との間にさしこんであった
物尺
(
ものさし
)
をとって上酒の方の甕に突きこみ、中身の分量をはかっていたが
次郎物語:03 第三部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
背は六尺あったというが、
物尺
(
ものさし
)
で計ってのことではあるまい。いわゆる六尺豊かである。五尺六、七寸はそう見える。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私はかの
物尺
(
ものさし
)
によつて計らるが如き品行方正よりも寧ろロマンチツク時代の恋歌、ドンフハンとヴイナス夫人の恋
婦人解放の悲劇
(新字旧仮名)
/
エマ・ゴールドマン
(著)
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裁判官は
物尺
(
ものさし
)
のやうな厳正な顔をして言つた。孝行息子は呆気にとられたが、さてどうする事も出来なかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
自分は立膝をして、
物尺
(
ものさし
)
を持って針山の針をこつこつ叩いて、順々に少しずつ引っこませていたが、ふと叩きすぎて、一本の針を頭も見えないようにしてしまう。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
だのに、人の信仰の度を越え、その常軌を逸したものは、普通人が持つ心の
物尺
(
ものさし
)
を以てしては計ることの出来ないものに違いないのです。問題の人竜造寺長門守がそれでした。
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「
物尺
(
ものさし
)
を貸してくれ。どれ/\、鎌の
柄
(
え
)
は二尺五寸か、鍬の
柄
(
え
)
は三尺八寸、それでよし」
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その窓掛けの青い色までが、人間の
物尺
(
ものさし
)
にはもとより、普通の人の想像そのもののなかにもちよつとはありさうもないほどの細かさで、而も実に明確に、彼の目の前に建て
列
(
つら
)
ねられた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
自分の領分の薯の芽と他の領分のそれとを比較して互いに自慢の仕合いをした。
物尺
(
ものさし
)
を持ち出して芽の長さをはかったり、芽が長く見えるようにそっとあたりの土を
掻
(
か
)
きのけておいたりした。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
猿の
頭蓋骨
(
ずがいこつ
)
や、竜のおとし児の黒焼を売る黒焼屋があったり、ゲンノショウコやドクダミを売る薬屋があったり、薬屋の多いところだと思っていると、
物尺
(
ものさし
)
やハカリを売る店が何軒もあったり
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
坊ちやんは壁に足を投げかけて、仰向きにお転びになつたまゝ、
物尺
(
ものさし
)
を持つて畳を撫でてお出でになる。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「おい、誰か早く
物尺
(
ものさし
)
をもつて来てんか。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
物尺
(
ものさし
)
を出して
積
(
つも
)
つて見る。一丈のたけだからたつぷり取つても一尺は余るであらう。幅は二た幅にして、両方へ二寸ばかりは縫ひ込まなければ広すぎるかも知れない。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
尺
常用漢字
小6
部首:⼫
4画
“物”で始まる語句
物
物凄
物語
物憂
物識
物怪
物騒
物置
物音
物思