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片々
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かた/\
ふりがな文庫
“
片々
(
かた/\
)” の例文
そして背中に負つた袋を、まづ
片々
(
かた/\
)
の肩からはづして、それから又外の肩からはづした。もう此袋のはづし方には馴れてゐるのである。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
そして真面目な顔をして、少くも
片々
(
かた/\
)
の目で虚空の或る一点を睨んでゐる。その一点は議事堂の塔の上である。
十三時
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
「あの矢張休んでゐます。先程お茶とパンを一つ戴きました。右の手はまだちつとも動きません。足の方も動きませんの。それに目も
片々
(
かた/\
)
は好く見えないと申しますが。」
板ばさみ
(新字旧仮名)
/
オイゲン・チリコフ
(著)
もう
片々
(
かた/\
)
の靴を顏の高さ迄持上げて、出來上りに滿足してゐるやうな目つきをして見てゐる。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
縁台も内へ入れて
一方
(
かた/\
)
へ腰障子が建って居ります、なれども暑い時分でございますから、表は
片々
(
かた/\
)
を明け放し、此処に竹すだれを掛け、お瀧が一人留守をして居りますと、門口から
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
と、
吻
(
ほつ
)
と胸先を撫でおろすさうだ。だから間違つて電車に
轢
(
し
)
き殺される場合には、成るべく履物を
後先
(
あとさき
)
へ、
片々
(
かた/\
)
は天国へ、
片々
(
かた/\
)
は地獄へ届く程跳ね飛ばす事だけは忘れてはならない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
塚
(
つか
)
の
上
(
うへ
)
に
趺坐
(
ふざ
)
して
打傾
(
うちかたむ
)
いて
頬杖
(
ほゝづゑ
)
をした、
如意輪
(
によいりん
)
の
石像
(
せきざう
)
があつた。と
彼
(
あ
)
のたよりのない
土器色
(
かはらけいろ
)
の
月
(
つき
)
は、ぶらりと
下
(
さが
)
つて、
仏
(
ほとけ
)
の
頬
(
ほゝ
)
を
片々
(
かた/\
)
照
(
て
)
らして、
木蓮
(
もくれん
)
の
花
(
はな
)
を
手向
(
たむ
)
けたやうな
影
(
かげ
)
が
射
(
さ
)
した。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
々
3画
“片々”で始まる語句
片々靴
片々聞