濕氣しつけ)” の例文
新字:湿気
その奧に、七年の濕氣しつけちて、ボロボロになつた千兩箱が、十も積んであるのを發見したことは言ふ迄もありません。
此の二三日いとのやうな小雨こさめがひツきりなしに降續いて、濕氣しつきは骨のずゐまでも浸潤しんじゆんしたかと思はれるばかりだ、柱も疊も惡く濕氣しつけて、さはるとべと/\する。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
して田舍者ゐなかものと笑はれなと心の有たけかき口説くどきまた夫十兵衞に打向ひ隨分ずゐぶん道中だうちうを用心して濕氣しつけに當り給はぬ樣娘の事は呉々もよきやうにはからひ給へと懇切ねんごろに言なぐさめ互ひに名殘なごり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
平次はたすきがけにはたきを持つて、梅雨つゆ中閉ぢ込めた家の中の濕氣しつけほこりを、威勢よくき出して居りました。
空氣くうきめう濕氣しつけふくんでた。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)