浮浪ふろう)” の例文
三人とも、浮浪ふろう少年のような、きたないなりをしていましたが、その中に、まるで幼稚園の生徒のような、小さい少年がいました。
奇面城の秘密 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
余は一個の浮浪ふろう書生しょせい、筆一本あれば、住居は天幕てんまくでもむ自由の身である。それでさえねぐらはなれた小鳥の悲哀かなしみは、其時ヒシと身にみた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
老僕ろうぼくひたいしかめ、り有り、大変たいへんが有りたりという。先生手をげて、そはしばらくくをめよ、我まずこれを言わん、浮浪ふろう壮士そうし御老中ごろうじゅうにても暗殺あんさつせしにはあらざると。
武士の末流、浮浪ふろう、その他少数の智勇弁力の徒が、日に徳川の天下を顛覆てんぷくせんとそのすきうかがう時に際して、国民の多数は、酔生夢死すいせいむし、封建政治に謳歌おうかしたるもまたべならずや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
チンピラ隊というのは、小林団長が上野公園などで集めた浮浪ふろう少年たちです。
魔法人形 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)