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洋筆
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ペン
ふりがな文庫
“
洋筆
(
ペン
)” の例文
彼の父は
洋筆
(
ペン
)
や万年筆でだらしなく
綴
(
つづ
)
られた言文一致の手紙などを、自分の
伜
(
せがれ
)
から受け取る事は
平生
(
ひごろ
)
からあまり喜こんでいなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三田は止むを得ず
洋筆
(
ペン
)
を置いて、成る可く淡紅色の腰卷より上に視線を保ちながら、相手に對した。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
何故
(
なぜ
)
そんな小さな文字を書かなければならないのかとさえ考えて見なかった彼は、
殆
(
ほと
)
んど無意味に
洋筆
(
ペン
)
を走らせてやまなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三田は
洋筆
(
ペン
)
を置いて、手のつけられない相手をたしなめてみた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
書斎にいる健三は時々手に
洋筆
(
ペン
)
を持ったまま、彼らの声に耳を傾けた。自分にもああいう時代があったのかしらなどと考えた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
三田は
洋筆
(
ペン
)
を置いて立つた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
号鐘
(
ベル
)
が
鳴
(
な
)
つて、講師は教室から
出
(
で
)
て行つた。三四郎は
印気
(
いんき
)
の着いた
洋筆
(
ペン
)
を
振
(
ふ
)
つて、
帳面
(
ノート
)
を
伏
(
ふ
)
せ様とした。すると隣りにゐた与次郎が声を掛けた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三四郎は
真逆
(
まさか
)
、
左
(
さ
)
うかとも云へなかつた。
薄
(
うす
)
笑ひをした丈で、又
洋筆
(
ペン
)
を
走
(
はし
)
らし始めた。与次郎も
夫
(
それ
)
からは
落付
(
おちつ
)
いて、時間の終る迄
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
かなかつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼はまた
洋筆
(
ペン
)
を放り出した。赤い
印気
(
インキ
)
が血のように半紙の上に
滲
(
にじ
)
んだ。彼は帽子を
被
(
かぶ
)
って寒い往来へ飛び出した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
細い青貝の軸を着けた
洋筆
(
ペン
)
がころころと机を
滑
(
すべ
)
って
床
(
ゆか
)
に落ちた。ぽたりと黒いものが足の下に出来る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ついこの間まで郊外に等しかったその高台のここかしこに
年々
(
ねんねん
)
建て増される大小の家が、年々彼の眼から
蒼
(
あお
)
い色を奪って行くように感ぜられる時、彼は
洋筆
(
ペン
)
を走らす手を
止
(
や
)
めて
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
洋
常用漢字
小3
部首:⽔
9画
筆
常用漢字
小3
部首:⽵
12画
“洋筆”で始まる語句
洋筆軸
洋筆先