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氣毒
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きのどく
『大きにお世話だよ。』とお大は
憤々して、『お
氣毒さまだが、松公は
此方が見切をつけて縁を切つたんだよ。
如彼ひよつとこの一人や二人、欲しけりや
何時でも
貴方に上げますよ。』
勞し何とも
氣毒の至りなり
以來此左京は山賊は
止申すと云ふに大膳
呵々と打笑ひ左京どの
沙彌から
長老と申し何事でも左樣
甘くは行ぬ者なり
山賊迚も其通り兎角
辛抱が
肝心なり石の上にも三年と云へば先づ/\
氣長にし給へ其内には
好事も有るべし扨また我は
今宵の留守に
勞せずして小千兩の
鳥を