毎々まいまい)” の例文
村の寄合などにたまに出て、私は諸君の頭の白くなったに毎々まいまい驚かされます。驚く私自身が諸君に驚かるゝ程としをとりました。全く十七年は短い月日でありません。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
今まで毎々まいまいヤバイからだになって、一晩のうちに何十里と、江戸を離れてしまわなければならない必要にせまられるから、いやでも応でも、早足は渡世道具のひとつ。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
毎々まいまい申上もうしあげますとおり、わたくしどもの世界せかいでは何事なにごとはなは手取てっとばやはこびます。
一條って奴は名文家でね、同じ材料を使っても、彼奴きゃつが書くと活きて来る。同じ西署詰の俺にっては、わば苦手と云う奴さ。……彼奴ひどく夜更かしが好きでね、毎々まいまい非常線に引っかかるそうだ。
人を呪わば (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
根気のよいお婆さんで、私も妻も毎々まいまい話しこまれて弱ったものです。居なくなって、淋しくなりました。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
十七年の杉の成長としては思わしくありませんが、二尺の苗の昔を思えば隔世かくせいの感があります。私共の村住居むらずまい年標ねんひょうとして、私は毎々まいまいお客に此杉の木をゆびさします。年標の杉が太り、屋敷も太りました。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)