欽明きんめい)” の例文
是より先、欽明きんめい天皇の御代に伝へられた仏教に就いて、崇仏派の蘇我そが氏と排仏はいぶつ派の物部もののべ氏、中臣なかとみ氏との間に凄じい争闘が展開した
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
そのおあとには、継体けいたい安閑あんかん宣化せんか欽明きんめい敏達びたつ用明ようめい崇峻すしゅん推古すいこ諸天皇しょてんのうがつぎつぎにお位におのぼりになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
対外的のことはしばらくとしても、国内的にみれば欽明きんめい朝より推古朝にいたるおよそ五十年のあいだは、眼をおおわしむる凄惨せいさんな戦いの日々である。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
それが仏滅の後五百余年、天竺に留まり、後百済くだら国に移り、一千年を経て、欽明きんめい帝の御代に日本に渡り、摂津国難波の浦の底深く金色の光を放っていた。
以上は、神武から欽明きんめいまでの、一千余年間の、ごく大ざっばな天皇の歴史である。ただし、六、七百年の虚偽の事実が、そこにあるとすれば、これは五、六百年の歴史である。
諸葛亮しょかつりょうの九十時に赤き彗星ありしは、その死去を告ぐるものとなせり」わが朝にありては、欽明きんめい天皇のとき、仏を入れたるために疫病流行せり、敏達びだつ天皇のときも同断なり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
欽明きんめい天皇御宇のことである。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
巨勢三杖大夫の伝はもとよりつまびらかにしえないのであるが、「法王帝説」註記に、扶桑ふそう略記の欽明きんめい天皇十三年条に
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
系譜をみても明らかなごとく、欽明きんめい天皇より太子に至るまでの皇室には、蘇我一族の血統が最も親しくむすばれている。武内宿禰たけのうちすくね以来の名門として稲目いなめ輔弼ほひつの大任を背負ったことも無視出来ない。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)