来賓らいひん)” の例文
明治の元勲げんくん井上侯のように、あるいはアイゼンハウワーのように、来賓らいひんに供する料理は必ず自分でつくる、あるいは監督もする、献立こんだてはもちろん。
味覚馬鹿 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
食道楽会の来賓らいひんは中川の説明を聞きつつ中庭の料理場を眺めて実地の模様を目撃せしが誰もな料理熱心なる連中とて心に発明する処すくなからず
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そして王大将の家族や来賓らいひんの男女から、下へもおかぬかしずきをうけつつ、琥珀こはくのさかずきに紫府しふの名酒がそそがれるたび、しきりに、酔をすすめられている様子だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どれ、ちょっとお見せ、ははあ、学校生徒の父兄にあらずして十二歳以上の来賓らいひんは入場をお断わり申しそろ、狐なんて仲々うまくやってるね。僕はいけないんだね。仕方ないや。
雪渡り (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのあと、いつもの顔ぶれの来賓らいひんがつぎつぎに見え、せまい塾長室はいっぱいになった。しかし、廊下にもれる話し声は、これまでの開塾式の日のようににぎやかではなかった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
わたしはそこで来賓らいひんに向かって、この金はさっそくあわれな大道音楽師だいどうおんがくしのために救護所きゅうごしょ設立せつりつの第一回寄付金きふきんとしたいと宣言せんげんした。そのあとの寄付はわたしと母とですることにする。
その時園内の別の広場では、来賓らいひん達の奇妙な徒歩競走が行われていた。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
また一面、富豪ふごうが多数の来賓らいひんを招いて饗宴きょうえんする料理、体裁を主とした装飾料理があって、これもまた一種の日本料理として早くから発達し、その存在が許されている。
味覚馬鹿 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
家臣に、手配を命じ、乗り換え馬や、荷駄にだ、案内などの人数をさし向けて、来賓らいひんの備えをさせたが
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
リーズとわたしが来賓らいひんにあいさつをしていると、またがらがらと四輪馬車よりんばしゃが着いて、アーサとクリスチーナとマチアが中から出て来た。すぐそのあとにつづいて、一両の二輪馬車が着いた。
……すると、こちらで予定していた来賓らいひん祝辞は、……ああ、そうですか。では、時間の都合を見まして適当にやることにいたしましょう。……え? ええ。やはりずいぶん気にやんでいるようです。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
その日、かれは玄関げんかん来賓らいひんの受付をやっていた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
来賓らいひんはわたしたちのぐるりをいた。