曾良そら)” の例文
曾良そらは師翁に随伴して加賀国にくる数日前、越後えちご市振いちぶりという海端うみばたの駅にとまって、測らずも二人の新潟の遊女と同宿した。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「露やふる蜘蛛の巣ゆがむ軒の月」という曾良そらの句は、同じ元禄時代の作だけれども、この句に比すれば繊巧な点において遥にまさっている。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
はるかなるひと旅路たびぢの果てにして壱岐いき夜寒よさむ曾良そらは死にけり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
行き/\て倒れ伏すとも萩の原 曾良そら
俳句の初歩 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
行き/\て倒れ伏すとも萩の原 曾良そら
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
宮に召されしうき名はづかし 曾良そら
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ただし曾良そら附句つけくに描かれた遊女が、私は盲であったろうと思っているわけではない。まだあの頃にはこの一種の御前ごぜ以外にも、色々の上﨟じょうろうが村をあるいていたらしいのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
いのちはてしひとり旅こそあはれなれ元禄げんろく曾良そらの旅路は
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
終夜よもすがら秋風聞くや裏の山 曾良そら
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
曾良そらの描き出した四五人の一群は、またまったく別のみちを歩んでいたのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)