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昏絶
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こんぜつ
ふりがな文庫
“
昏絶
(
こんぜつ
)” の例文
ひややかな夜気は彼を一たんの
昏絶
(
こんぜつ
)
から呼び
醒
(
さ
)
ましていた。官兵衛は気がついたまま、ぽかんと眸をうつろに天へ向けていた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この荒療治のおかげで、不幸にも蘇武は半日
昏絶
(
こんぜつ
)
したのちにまた息を吹返した。
且鞮侯
(
そていこう
)
単于はすっかり彼に
惚
(
ほ
)
れ込んだ。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ぼくの自己弁解です。ぼくは幼年時、身体が弱くてジフテリヤや赤痢で二三度
昏絶
(
こんぜつ
)
致しました。八つのとき『毛谷村六助』を買って貰ったのが、文学青年になりそめです。
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
われは終に
昏絶
(
こんぜつ
)
せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
興行人たちが驚いて抱き起してみると、鼻から血を出して
昏絶
(
こんぜつ
)
していた。見物人はわんわとばかり
囃
(
はや
)
し立てている。
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
一声、気を激して、恨めしげに叫ぶと、辛評は、地に仆れて
昏絶
(
こんぜつ
)
したまま、息が絶えてしまった。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
焔
(
ほのお
)
の壁や焔の床に
昏絶
(
こんぜつ
)
して、声も出さなくなり、びくとも動かなくなってからでも、快川のすがたはまだ
紅蓮
(
ぐれん
)
の
傘蓋
(
さんがい
)
をいただき、猛火の欄にかこまれながら、椅子に
倚
(
よ
)
って
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
果ては、楊彪と抱きあって、路傍に泣きたおれ、朱雋は一時
昏絶
(
こんぜつ
)
するほど悲しんだ。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぐらぐらと
眩
(
めま
)
いを覚えたらしく、あやうく
昏絶
(
こんぜつ
)
しそうになった
額
(
ひたい
)
を抑えて、その後
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ
津々
(
しんしん
)
と地下泉の湧く
渚
(
なぎさ
)
に舌をねぶる
獣
(
けもの
)
のうつつなさといった
姿態
(
しな
)
。そしてそのうちに女の
鼻腔
(
びこう
)
が
昏絶
(
こんぜつ
)
のせつなさを洩らしたと思うと、彼はやにわに胸をのばして巧雲の唇へ移った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、悲涙にむせんで、
昏絶
(
こんぜつ
)
せんばかりだった。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昏
漢検準1級
部首:⽇
8画
絶
常用漢字
小5
部首:⽷
12画
“昏絶”で始まる語句
昏絶倒臥