“昏絶”の読み方と例文
読み方割合
こんぜつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひややかな夜気は彼を一たんの昏絶こんぜつから呼びましていた。官兵衛は気がついたまま、ぽかんと眸をうつろに天へ向けていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この荒療治のおかげで、不幸にも蘇武は半日昏絶こんぜつしたのちにまた息を吹返した。且鞮侯そていこう単于はすっかり彼にれ込んだ。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ぼくの自己弁解です。ぼくは幼年時、身体が弱くてジフテリヤや赤痢で二三度昏絶こんぜつ致しました。八つのとき『毛谷村六助』を買って貰ったのが、文学青年になりそめです。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)