文吉ぶんきち)” の例文
こんな風景をみると、この家のあるじ——こん度は亭主の文吉ぶんきちの方だが——は、さわらぬ神にたたりなしと、そっとしておく。
雑居家族 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
文吉ぶんきちみさおを渋谷にうた。無限の喜と楽と望とは彼の胸にみなぎるのであった。途中一二人の友人を訪問したのはただこれが口実を作るためである。
愛か (新字新仮名) / 李光洙(著)
十三屋の文吉ぶんきちが、娘のお曾与を伊丹屋に嫁入りさせることになった話は、平次の耳にもよく聞えていたのです。
文吉ぶんきちは、ある夏休の末のこと、親不知子不知おやしらずこしらずの海岸に近い、従兄いとこの家へあそびに行きました。
さがしもの (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
文吉ぶんきち藤治郎とうじろう多藏たぞう彌五右衞門やごえもんの七人に買って来て呉れてえ頼まれて、御守が七つ御供物おくもつが七つある、それはえが金が二十両脇から預かって、小さい風呂敷に包んで金がある
すい文吉ぶんきち
何だか知らねえがおっかアちがって何うせ旨くはおさまるめえ、われが憎まれ口でも叩いて、何うせなうちもうなやにゃアくめえと文吉ぶんきちも心配して居るが、何うも仕方がねえ、早く女親に別れる汝だから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
文吉ぶんきちでございます、ヘエ」
床「わっしやア廻りに歩いた文吉ぶんきちでございます」