さがしもの
文吉は、ある夏休の末のこと、親不知子不知の海岸に近い、従兄の家へあそびに行きました。 そして、毎日従兄と一緒に、浜へつれて行つてもらつて、漁夫たちの網をひくのを見たり、沖の方に、一ぱいにうかぶ帆舟を眺めたりしました。磯にうちよせてくる小波に …